このページの最終更新:22nd Nov 1998

音楽に表情をつける

フレージングについて / クラリネットでのフレーズ / 喜怒哀楽を考える

クラリネットでのフレーズ

息とフレージング

フレージングと息には、密接な関係があります。たとえ奏者が素晴らしい 感性を持っていたとしても、息が2拍分しかもたないようではどうしようも ありません。つまり、息遣いがちゃんとできないとだめだという事になります。

クラリネットの場合、奏者の感性はそのまま音になって現れると思います。
例えば気持ちが沈んでいれば音まで沈んでしまうし、何かいい事があったら 音もどことなくうきうきした感じになるように思うのです。その原因は、 クラリネットの音は楽器の中で人間の歌声に一番近いという事と関係が 深いように思います。
すなわち、人の感情が声になって現れるのと同様に、人の感じる事は息の流れに 影響し、クラリネットの発音原理が人間の発声と近い事から、楽器の音に如実に 反映されるのだと思います。

とすれば、基本的に感情を込めて吹くという事はクラリネットに関しては そんなに難しくない事になります。要は奏者が自分の気持ちを音楽に合わせて 変化させればいい訳で、それは奏者が音楽にのめり込む事だと思います。

このページのはじめへ戻る

息がもたないとき

人間の肺活量には限界がありますから、例えばロングトーンを10分間 続けるというのはまず不可能です(中には循環呼吸をする人もいるかも しれませんが、少数派でしょうから気にしない事にします)。
すると、奏者としては一息で吹いてしまいたいフレーズなのに、息がもたなくて 困る事が多々あります。どうしましょう。

一番真っ先に思いつくのは、カンニングブレスをする事です。カンニングと いう位なので、目立ってはいけないし、フレーズの大きな流れにさからっては いけないし、音符が落ちたり、リズムが狂っても困ります。しかも、それが ソロプレイだったりすると特に大変です。テュッティなら、誰かがブレスを しているときに他の人が吹き続けていれば、全体としてひとつのフレーズに なるのですが、一人ではそうはいきません。
そこで大切なのは、フレーズの中の句読点を捜す事です。日本語の文章の場合、 いくら一文が長くてもその中にはたいてい適当な位置に点がうってあるし、 仮にうってなかったとしてもたいていの場合、どこか区切っても差し障りの ない場所があるはずです。
音楽でも一緒で、はっきりと切る事はできなくても、自然にカンニングブレスを することが許容される場所が結構あります。そういう場所を捜してカンニング ブレスをすると、結構自然に聞こえる事が多いのです。

また、あえてフレーズのど真ん中で切ってしまう方法もあります。 細かい連符がある中に長めの音がある場合、その長い音を少し早めに切って しまってもそんなに不自然にはならない事が多いのです。
ただし、この場合は音の切り方に工夫が必要で、すーっと消えるような余韻が 大切になります。余韻でフレーズをつなぐ雰囲気を出すことがポイントです。

このページのはじめへ戻る

みんなでフレーズを吹く

自分ひとりでソロを吹くのであれば、感情のおもむくままに吹けば いいのですが、ユニゾンで、あるいはハーモニーで複数の人が吹く場合、 そうはいきません。

だいたいどこのバンドでも、パートリーダーはいると思います。パートリーダーの 役割のひとつに、音楽的な考え方を揃えるという事があります。
いくら一人一人が素晴らしい感情表現ができたとしても、それがばらばらの ままではお互いに殺しあって、あまりまとまった音楽にはなりません。
逆に、みんながお互いを高めあうような演奏ができれば、とても感動的な演奏に なるでしょう。

具体的には、まずお互いの演奏を聴くことから始めます。自分も吹きながら、 他の人がどういう事を考えているのかを想像してみます。このとき、 自分の思っている事がはっきり伝わるような演奏をしなくてはいけません。
次に、他の人が表現したい事を尊重しつつ、自分のやりたいことができる方法を 考えます。そうやって表現をだんだん寄せていけば、みんながそれなりに 納得できるイメージが出来上がると思います。
ただ、この方法を実践するにはそれなりの時間と労力が必要です。 一番簡単なのは、強力な指導者(指揮者とか、パートリーダーとか)が 「こうだ」と決めてしまって、みんなでそのとおり吹く事です。 その指導者が音楽的なセンスさえ持っていれば、音楽はそつなくまとまる でしょう。
でも、それは自分たちで作る音楽じゃないと思うのです。たとえ時間が かかっても、自分たちで作る方が、みんなが納得できるいい演奏になると 思うのですが・・・。

あと、もうひとつ。合奏や本番で、メロディーに合わせてテンポや抑揚が 微妙に変化する(揺れる)事があります。それを、パート内でどこに合わせるか という問題が出てきます。
基本的には、トップ奏者に合わせる事になりますが、パート内では自分の右 (または左)の、トップに近い方の人に合わせるのが原則です。
みんながそうすれば、一番右(または左)の人にみんなが合わせることが できます。後は端の人が前のトップに合わせればいいわけです。

このページのはじめへ戻る

フレージングについて / クラリネットでのフレーズ / 喜怒哀楽を考える