コンクールで上位を占めるためには、それを視野においた曲作りが望まれます。
その一番のポイントは、いかに曲を無難にまとめるか、ということにつきます。
自分の団体の定期演奏会であれば、自分たちの解釈に従って音楽をつくっても、
さほど問題にはなりません。特異な解釈をしても「このバンドのカラー」と解釈すれば
それで済んでしまう話です。しかしながら、コンクールではそうはいきません。
いくら素晴らしい解釈であっても、審査員が気に入らなければそれまでです。
具体的には、音楽を小さく無表情にまとめるのがこつです。屋外で演奏するわけでは
ないのですから、ただやかましいだけの音は不要です。大きな音でなければ、比較的
きれいな音でまとめることができます。また、無理に豊かな表情をつけると、
和音が崩れたりする原因になるので、ここぞという数カ所のポイント以外はできるだけ
表情はかくして演奏するのがいいのです。
静寂な部分でピッチが気になる場合や、音量が十分小さくならない場合は、
奏者を減らすことも大事です。頭数が多いから、些細なミスやずれが目立つのですから。
弱音部の人数を減らすことで、ダイナミクスレンジを広げる効果もあります。
以上に述べた注意点をよく検討して実行すれば、コンクールでさらに上位に食い込むことは
可能だと考えられます。実際、全国大会常連校の多くは、ここに述べたのと同じか、
よく似た運営方針の元で活動をしているのです。コンクールでふるわない団体の多くは、
ここで述べた方法と反対の運営方法をしているか、単純にコンクールに対する認識が
甘いかの、どちらかの場合がほとんどです。
ただし、これで即全国大会の常連校になれるかといえば、それは少し微妙なところがあります。
コンクールは、実力だけでなくキャリアや運やコネも、時には必要になってきますから。
ここまで読んできたみなさんは、どう感じられたでしょうか。
そこまでしなくては、金賞は取れないものなのでしょうか。残念ながら、現状では
「確実に」金賞を取るためにはこの方法しかありません。運やまぐれで取ることは
可能ですが、常に運やまぐれに頼るわけにもいかないですから。
でも、ここであげたことを実行して金賞を取ったとして、それが果たして楽しい
ことでしょうか。もっと音楽をするというのは、楽しい事ではなかったのでしょうか。
そこまで音楽の楽しさ、奥深さを犠牲にして得た金賞に、どれほどの価値があるのでしょうか。
この記事の論旨は、無論コンクールを否定するわけではありません。ただ、どういうスタンスで
接していけばいいのか、もう一度考えてみる必要があるのではないでしょうか。