このページでは、賞にこだわることなく自分たちのスタイルで演奏することを理想とした コンクールへの運営法を考えてみます。なぜ賞にこだわらないのかは、コンクールの 抱える問題や逆説・コンクールで金賞を取る方法で触れているように、 賞にこだわることで音楽の本質を見失う恐れがあると考えるからです。
まず、何をするにしても目標が必要です。演奏会やコンクールにしても同じで、漠然とやっても
できないことはないですが、より多くのものを得たり、より充実した時間とするためには相応の
目標を持つことが大事です。
でも、目標といっても、一体どんなものを定めればいいのでしょうか。これはバンドの置かれた状態や
メンバーの考え方にもよりますが、たとえば「自分たちの実力を客観的に知りたい」とか「自分たちの
音楽を(身内だけでなく)たくさんの人に聴いてほしい]というように、あくまでも主役は自分たちであり、
自分たちの音楽であるということさえ忘れなければ、どのような目標でも構わないでしょう。あるいは
「学校の講堂や体育館じゃなくて、本格的なステージの照明のもとで演奏したい!」といった憧れでも
構わないと思います。要するに、本番までの時には厳しい練習を乗り切れるだけの、原動力となるような
ものであれば良いでしょう。
ひとつ注意したいのは、定めた目標はみんなで共有して、最後まで見失わないことです。せっかく素敵な 目標を指揮者が持っていても、メンバーがそれを知らなかったらどうしようもありません。逆もまた 然りです。次の演奏会がコンクールと定まった時点で、コンクールに対してどのような目標を定めるのか 話し合うミーティングを持つ必要があるでしょう。といっても、堅苦しく考えなくてもよくて、たとえば 昼食時の雑談の中で、気軽に話し合うようなスタイルで構わないはずです。
選曲は、コンサートやコンクールの成否を決める重要なカギを握ります。曲の選び方はさまざまな
方法がありますが、やはりできることなら参加するメンバー全員が曲選びに参加して、すべてのメンバーが
納得した曲を演奏するのが一番です。とはいっても、メンバー一人一人音楽の好き嫌いは異なりますから、
簡単に全員が納得できる曲が見つかるとは限りません。また、大きなバンドでは全員参加で曲を選ぶという
作業自体が困難な場合もあります。
こういう場合によくとられるのは、少数の選曲を担当する有志を集めて、そのメンバーで曲を選ぶ方法です。
話のまとめやすさから言えば、この方法のほうがよいのですが、できるだけ多くのメンバーの意見を
反映するには、多少の努力が必要です。たとえば、候補曲は全員にアンケートをとって出してもらうとか、
選曲係が候補を数曲に絞って全員の投票で選ぶ、などの方法が考えられますが、工夫次第ではもっと有効な
手法があるかもしれません。とりあえずは、係はメンバーの意見をくみ上げる努力をし、メンバーも
任せっきりにせず進捗をまめに確かめる、という全員の努力が必要でしょう。
選曲でよく困るのは、いくつかの候補曲それぞれにサポーターがいて、お互いに意地の張り合いになって
いつまでも曲が決まらない場面です。こういう場合の多くは、サポーターが他の人の意見を聞いて
いないことと、他の人への意見がうまく機能していないことによるようです。
他人の意見を聞かないのは論外として、意見を言うほうも、自分の話していることを冷静に吟味する必要が
あるようです。たとえば、単に「この曲がいい」と言われても、簡単には納得できません。でも「この曲の
風景描写が素晴らしいので挑戦したい」といわれれば、それが的を得ているのか考える余裕が生まれます。
同様に「この曲はいやだ」よりも「音楽の表現が単純すぎて奥行きがないので、もっと表現が豊かな曲が
いい」というほうが、分析の余地は大きいはずです。
このように、お互いに曲に対する感じ方、音楽への考え方をさらけ出し、その中から共通点を見つけ
出すことが、話し合いで選曲を進める基本ではないでしょうか。