音は空気の振動ですが、その振動数の関係に注目すると、面白いことが分かってきます。
たとえば、ある音の振動数を2倍にすると、オクターブ上の音になります。3倍にすれば
2オクターブ上の音になるかというとそうではなくて、その手前の完全5度の関係にある音
(たとえば下の音がドならソ)になります。
このように、下になる音の周波数を整数倍したものを倍音といいます。クラリネットをはじめとする
ほとんどの楽器は、基本と鳴る音以外にこれらの倍音を含んでいます。その含んでいる
割合が違うので、楽器によって音色が違ってくるのです。このことは、同じ楽器の重奏よりも
異種楽器の重奏の方が音に深みが出てくる事とも関係します。種類の違う楽器が
倍音を補い合うのです。
ふたつの音がある場合、その音がうまく混ざるかどうかは、ふたつの音の
振動数の比で決まります。両者の振動数が簡単な整数比で表される場合はきれいに
混ざりますが、複雑になるに従って音の濁りが多くなってきます。きわめて振動数が
近い場合は、うなりが発生します。
倍音の関係は、下の表のようになっています。
| 音程の種類 | 音程(距離) | 振動数の比 |
|---|---|---|
| 絶対協和音 | 完全1度 | 1:1 |
| 完全8度 | 1:2 | |
| 完全協和音 | 完全4度 | 4:3 |
| 完全5度 | 2:3 | |
| 中庸協和音 | 長3度 | 4:5 |
| 長6度 | 3:5 | |
| 不完全協和音 | 短3度 | 5:6 |
| 短6度 | 5:8 | |
| 不協和音 | 短2度 | 15:16 |
| 長2度 | 8:9 9:10 | |
| 増4度 | 32:45 | |
| 減5度 | 45:64 | |
| 長7度 | 8:15 | |
| 短7度 | 9:16 |
この性質をもとにして音階の各音を決めれば、調のキーとなる和音が全てきれいに 響く音階が完成します。これが純正律です。
純正律は、その調の和音はきれいに響きますが、違う調の和音は、必ずしもきれいになりません。
上の表をよく見れば分かりますが、長2度にはふたつの種類があります。上を大全音、
下を小全音といいますが、同じ全音が二種類あるため、単純にずらしてもきれいな
和音にならないのです。
音楽がただ一つの調で完成されているならば、さほど問題ではありません。しかし実際には
近代以降の音楽は様々な調が出てきます。ですから、近代の音楽をするには、この音階では不十分です。
そこで、和音の響きを若干犠牲にして、全ての調に対応できる音階を考えなくてはなりません。
それが、次に述べる平均律です。