音楽には、その場面に応じた音量があります。また、感情の変化に従って音量も変化します。
これを楽譜上で表すのが、音量記号です。通常使う音量記号は小さい方から
pp、p、mp、mf、f、ff となります。作曲家によっては ppp や fff、ときには ffff
などという記号も出てくることがあります。
注意しないといけないのは、これらの記号は音量の比を表しているわけではない
ということです。というのは、これらの記号が表すのは相対的な音量なので、pp の後の p と、
ff の後の p では、当然与えられている意味に違いがあります。また、物理的な音量と
音楽の中での音量とは、必ずしも一致しません。演奏を物理的に分析しても、音量記号が
違うのに物理的音量が同じであることも多いですし、同じ記号でも場面によって
物理的音量は大きく変わってしまいます。
音量の変化は、ふつうクレッシェンドとデクレッシェンドで表します。音量の減少は、 ディミヌエンドでも表されることがあります。楽譜上では、音量標語が書いてあるか、 <>の記号でかかれています。
実際に音楽を演奏するとき、その音楽でどのような感情を表現するかは重要な
要素の一つです。同じ楽譜でも、感情の持ち方一つで曲の雰囲気は変わってしまいます。
そこで、作曲者がどのような感情で演奏してほしいかを指定することが必要になってきます。
その手段として、発想標語があります。発想標語は、音楽の性質を感情の面から
表しているともいえます。
発想標語は非常に多く、また作曲者が勝手に創ったり、作曲者の母国語で書かれることも
多くあります。中には、まるで注意書きのようになってしまっているものもあります。
ですから、すべてを知ることは到底無理なのですが、よく出てくるものをいくつか知っておくと、
何かと便利です。
音楽を彩る手段として、いくつかの奏法があります。それらの指示にために、
標語があるのですが、実際の楽譜ではほとんどの場合記号でかかれます。それは、
複数の奏法が交錯して出てくることが多いことと、いちいち標語で書いていては
時間がかかる上に見るほうも見にくいからでしょう。
これらの記号はいずれも小さいので、楽譜をさらう段階から見落とさないように
十分注意する必要があります。
主な記号は下の一覧に挙げましたが、これ以外にも、楽器固有の 奏法記号もあります。クラリネットには特にないのですが、弦楽器やピアノには いくつかの特殊な奏法があります。これらの記号は、編曲されたものを原曲と照合したり、 他の楽器の替わりに演奏するときには注意する必要があるでしょう。
よく見かける表情に関する記号を、まとめてみました。この表の作成には、 文献を参考にしています。
1.強弱標語
| 標語 | 読み | 日本語訳 |
|---|---|---|
| cresc. | クレッシェンド | だんだん強く |
| decresc. | デクレッシェンド | だんだん弱く |
| dim. | ディミヌエンド | だんだん弱く |
| Marcato | マルカート | 強くして |
| Pesante | ペザンテ | 重く力をつけて |
2.発想標語
| 標語 | 読み | 日本語訳 |
|---|---|---|
| Appassionato | アパッショナート | 熱情的に |
| Calmando | カルマンド | 静かに |
| Con blio | コン ブリオ | 生き生きと |
| Con moto | コン モート | 動きとともに |
| Dolce | ドルチェ | 柔らかく・穏やかに |
| Espressivo | エスプレッシーヴォ | 表情豊かに・感情的に |
| Grandioso | グランディオーソ | 堂々と・朗々と |
| Maestoso | マイストーソ | 荘厳に・威厳を持って |
3.奏法に関する標語
| Legato | レガート | 音の切れ目なく |
| Staccato | スタッカート | 音を短く(本来の半分) |
| Marcato | マルカート | 力を持って |
| Tenuto | テヌート | 音の長さを保って |
| Fermata | フェルマータ | 拍子の動きを止める |
| Portamento | ポルタメント | 2音間を滑らかに続ける |
| Gliss. | グリッサンド | 2音間を滑らせる |