一見見た目が似ていて、同じシングルリードであるサックスは、
倍音がオクターブです。サックスも、ベルは開管、マウスピースは
閉管のはずなのに、どうしてでしょうか。
その答えは、管の太さがだんだん変わること(テーパ)にあります。
まず、一番目ような閉菅の楽器を考えます。次に、この管に少しだけテーパをつけてみます。
すると、左側の空気は右側より同じ長さあたりの量が少ないので、右側の影響をいままでより
強く受けるようになります。そのため、空気の振動が速く小さくなり、管の端よりも手前で
0になってしまいます。この場所では空気が振動しないのですが、空気が振動しないためには、
その両隣がちょうど鏡の状態になる必要があります。これは、机の上に置いた辞書を片方から押すと
滑っていきますが、両側から同じ力で押すと動かないのと同じです。そうすると、2番目の絵のように
閉じた管の先端でも空気が振動することになります。
テーパの角度を調整すると、この空気が振動しない場所は移動します。ですから、適当なテーパを
つけると、3番目の絵のように、開管楽器と同じような振動を得ることができます。サックスは、
ベルに向かってある一定の角度で広がっていますが、この広がりが、まさに開管楽器と同じ振動を
得ることができるテーパになっているのです。
このテーパによる効果は、オーボエや金管楽器も基本的には一緒です。ですから、
これらの楽器は倍音がオクターブを基本にしているのです。
フルートは、クラリネットと同じでテーパがついていません。 テーパがついていないのに両端開管です。これは、歌口の方を見たらすぐ分かるのですが、 クラリネットのマウスピースと違って大気につながっています。 リードのように蓋をするものがありませんから、開管になるのは当然です。
では、横向きに開いている穴がどれほど効果を持っているのでしょうか。
これは、こんな実験で実感することができます。
五線譜のすぐ下にあるCを吹くのですが、まずはそのまま、次にベルをはずして、
さらに下管もはずして、その上右手で下の方をふたしてしまいます。それでも、
音はほとんど変わらないのです。というのも、外へ漏れる音のほとんどが、横に
あいている穴から漏れているからに他ならないのです。